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昨年の秋から今年の冬への徒然。
神田川を遡上し、産卵を終えたあと寿命がつきたサケ……と書きたいのだが、神田川Click!にはアユClick!の遡上はあちこちで見られるものの、サケはまだ上ってきていない。サケの遡上は、いまだ隅田川や多摩川止まりとなっている。冒頭の写真は、渡良瀬川で産卵して寿命を終えたサケたちだ。...
View Article下落合で踊る金山平三。
1925年(大正14)3月に、金山平三Click!は下落合2080番地のアビラ村Click!へアトリエClick!を建てたが、当時、その庭から眺めた下落合から上落合にかけての耕地整理や宅地造成が進む以前の風景を、らく夫人Click!が飛松實へ証言している。1975年(昭和50)に日動出版から刊行された、飛松實『金山平三』から引用してみよう。 ▼...
View Article下落合を描いた画家たち・松本竣介。(2)
1997年(平成9)に不忍画廊から出版された『松本竣介の素描』を、椎名町のギャラリーいがらしClick!からお借りして眺めていたら、落合風景の作品が何点か含まれているのを見つけた。これらの素描作品は、松本竣介・禎子夫妻Click!が主宰していた戦前からつづく綜合工房から、1977年(昭和52)に刊行された『松本竣介素描』には収められていると思うのだが、展覧会や図録などではあまり見かけない作品だ。...
View Article大岡昇平が歩く大正末期の下落合。(上)
下落合1146番地に住んでいた外山五郎Click!は、1921年(大正10)より青山学院中学部に入学していたが、1学年下には大岡昇平Click!がいた。外山五郎は、1つ下の大岡とウマが合ったものか、1924年(大正13)から親しくつき合うようになった。このつき合いは、青年期の思想的に多感な一時期を除いては、外山が千葉で牧師になってからも終生つづいたようだ。...
View Article大岡昇平が歩く大正末期の下落合。(下)
さて、妙正寺川の河畔に向けて斜面に建つ、外山邸の内部はどうなっていたのだろうか? つづけて、大岡昇平Click!が描く外山邸を、前掲書の『少年』から引用してみよう。 ▼...
View Article洗足田園都市は消えていない。
大正の中期、箱根土地株式会社Click!が下落合で目白文化村Click!の造成に着手すると、ほぼ同時期に目黒駅の近郊では田園都市株式会社による洗足田園都市Click!の造成がスタートしている。以前に一度、こちらでも現地をおおざっぱに歩いてレポートを記事にしているのだけれど、目白文化村と洗足田園都市は期せずしてシンクロした郊外住宅地の開発なので、もう少し細部に注目して書いてみたい。...
View Article1945年(昭和20)3月10日午前0時8分。
きょうは、東京の(城)下町Click!一帯を襲った東京大空襲Click!から70年めの節目にあたるので、これまで何度となく繰り返し記事Click!に取りあげてきたけれど、改めて米国防省などが公開した対日戦資料にもとづいて書いてみたい。もちろん、東京の山手地域を襲った二度にわたる空襲Click!からも70年がたち、これらの空襲を実際に体験し、詳細な証言ができる方も徐々に少なくなっている。...
View Article佐伯祐三の『下落合風景』は8月以前から。
1926年(大正15)9月1日の夕方、ないしは夜に東京朝日新聞のカメラマンが撮影した、二科賞を受賞した直後のフラッシュをあびる佐伯祐三Click!一家の写真が残されている。翌9月2日の朝刊へ掲載されたものだが、同時期に「アサヒグラフ」へもより高精細な写真が収録されている。同誌へ掲載された画像を、友人が改めて高解像度でスキャニングして送ってくれたので検討してみたい。...
View Article相馬俊子は巨大古墳の丘上に立ったか。(上)
1914年(大正3)の中村彝Click!は、相馬俊子Click!への恋情に煩悶していた。同年12月に伊豆大島へと旅立つまで、ほとんど狂気に近い行為を繰り返している。彝が相馬俊子をあきらめきれず、ときどき彼女の姿を求めて新宿中村屋Click!のまわりをウロついていたころ、1915年(大正4)3月に女子聖学院を卒業した相馬俊子は、同年4月より女子学院高等科(現・東京女子大学)へと入学している。...
View Article岩松淳(八島太郎)と飯野農夫也の漫画論。
先年、八島太郎展実行委員会の山田みほ子様Click!より、八島太郎(岩松淳)Click!に関連する貴重な資料類を再びお送りいただいた。すでにご紹介しているが、テレビ東京で2010年(平成22)3月12日(金)に放映された、八島太郎をテーマとする『世界を変える100人の日本人』のDVDは、生涯にわたり徹底して反戦思想を貫いた彼の軌跡を描いたドキュメンタリーとしてとても貴重だ。...
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