いつから下落合が「日本文化村」なのだ?
下落合(現・中落合/中井含むClick!)の西坂Click!を上りきった突き当たりに、介護付き有料老人ホームが建設中だ。高額な入居費用の同施設には、「グランダ目白落合」という名称がつけられている。「目白落合」という聞きなれない名称もおかしいが、そのチラシのキャッチとリードを見て、思わず身体がのけぞってしまった。 ▼ 優雅なひとときをご提案する、全41室の小規模ホームが誕生!...
View Articleわたしの頭はクウルなのかもしれません。
このサイトでは、おもに関東大震災Click!ののち下落合753番地Click!に転居してきたあとの、九条武子Click!の生活についてクローズアップClick!してきた。また、九条武子が書いたエッセイや私信Click!、インタビューなどの内容から、彼女の思想や信条Click!、活動、日常生活Click!、趣味Click!などについても触れてきている。...
View Article小坂多喜子と小林多喜二。
小坂多喜子Click!は、クールかつ進歩的な観察眼で人間を見つめる表現者であり、思想でゴリゴリに凝りかたまった融通のきかない共産主義者でも闘士でもない。思想や理想よりも先に、家庭や家族を愛し優先する生活者だった。だから、いろいろな局面で予断や思想的なフィルターを眼差しにあまりかぶせることなく、人間を細かくていねいに観察できたのではないだろうか。...
View Article島抜けをまたかとため息つくだじま。
先日、佃島Click!の「丸久」Click!さんへ佃煮を買いに出かけたら、舟入堀の水を抜いた面白い風景に出あった。漁舟のもやい場だった堀に土砂がたまり、より深く浚渫する工事のまっ最中だったのだろう。堀底にカルガモの親子がにぎやかに駈けまわる、めったに見られない光景だ。住吉祭の例大祭で使われる、大幟の柱と抱木を埋めておく佃小橋ぎわに囲われた堀底も、引き潮を待たずによく観察できた。...
View Article小坂多喜子と伊藤ふじ子。
小林多喜二Click!が書いた小説『党生活者』(1932年)に登場するハウスキーパー「笠原ふじ子」を、平野謙は「ふじ子」の名前が重なることから、“ウラ取り”せずにフィクションをそのまま解釈して、伊藤ふじ子Click!のことをハウスキーパーだと規定したため、戦後の長期間にわたり誤った言説がつづくことになった。...
View Article下落合を描いた画家たち・織田一磨。(2)
ずいぶん以前に、織田一磨Click!が描いた『落合風景』Click!(1917年)をご紹介したことがある。妙正寺川をさかのぼり、落合村葛ヶ谷(現・西落合)にあった釣りのできる農業用溜池を描いたものだ。その画面が掲載された書籍、1944年(昭和19)に洸林堂から出版された織田一磨『武蔵野の記録―自然科学と藝術―』の原本が手に入ったので、もうひとつ落合地域付近の風景画をご紹介したい。...
View Articleダンスで投げ飛ばされた小坂多喜子。
なめくじ横丁Click!の東側、上落合銀座通りにある「松の湯」からは、午後の早い時間から煙がモクモクと立ちのぼっていた。上落合(2丁目)829番地(現・上落合3丁目)のこのあたりには、早くから銭湯にやってくる客が多かったのだろう。なめくじ横丁Click!の長屋に集った作家や画家たちも、昼間から風呂に入っていたにちがいない。...
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