二宮尊徳の貯金箱と三岸好太郎の蝶。
わたしは、子どものころから貯金をしたことがない。ここでいう貯金とは、銀行預金のことではなく貯金箱へコインをためていく“貯金”のことだ。もっとも、ちっとも増えない銀行の預金残高を横目で見ると、そもそも貯蓄自体が苦手なのかもしれない。貯金箱がキライなのは、ちょっとずつおカネを1枚1枚ためていくのが、癇性で気の短いわたしにはじれったくてしかたがないのと、なんとなくいじましさを感じるからだ。...
View Article貴重な外山資料と笠原作品いろいろ。
以前、独立美術協会Click!で活躍した児島善三郎のご子孫の方からお送りいただいた写真類や、外山卯三郎Click!のご子孫の方からお送りいただいた結婚式の記帳資料、さらに外山の妻である一二三(ひふみ)夫人が絵を習いに通っていた、笠原吉太郎Click!のご子孫の方からお送りいただいた作品類などを、記事でまとめてご紹介Click!した。...
View Article85歳の小島善太郎へ檄を飛ばす里見勝蔵。
1930年協会のメンバーClick!の中で、小島善太郎Click!は91歳(1984年没)、里見勝蔵Click!は85歳(1981年没)と、ともに長命だった。ふたりは、死去するまで交流をつづけている。1978年(昭和53)に読売新聞社から出版された『里見勝蔵作品集』には、85歳の小島善太郎が82歳の里見勝蔵に向け、「人間としての里見勝蔵君」という文章を寄せている。...
View Articleルンバもサンバもボサノバもある珈琲。
わたしがコーヒーを飲みはじめたのは、ハッキリと記憶しているわけではないけれど、中学生になってからのことだったと思う。当初は、もちろんインスタントコーヒーで広く普及していた「ネスカフェ」だったのではないか。ちがいがわかる男の・・・というキャッチで、フリーズドライ製法により販売された高級インタントコーヒーなど、親は買ってくれなかったと思う。...
View Article『同志会誌』でわかる下落合の細かな出来事。
1939年(昭和14)に出版された『同志会誌』Click!は、1932年(昭和7)出版の『落合町誌』Click!ではうかがい知れない、大正時代から昭和初期にかけての下落合における細かな出来事や事件を記録した、かけがえのない生活誌のような趣きがある。...
View Article深夜に聴く小学生のあこがれサウンド。
このところ、お隣りで好物のギョウザや鶏肉をもらって食べているタヌキたちが、ときどき縄張りのネコを牽制して脅かしているのか、なんともいえないすさまじい声をあげて鳴くことがある。暗くなると、3~4匹のタヌキが家のまわりをウロウロして、晩秋の“食いだめ”をしているようだ。 ★...
View Articleブログ9年・過ぎし日々のセレナーデ。
2004年にスタートしたブログ書きClick!が、この11月24日より10年目に入った。あれだけ流行った誰でも情報が発信できる「ブログ時代」のブームはとうにすぎて、いまやSNSのfacebookのほうが盛んだろうか?...
View Article葛ヶ谷・長崎地域の伝承は平安末から。
暮れにある方から、1932年(昭和7)7月に出版された大澤永潤『自性院縁起と葵陰夜話』(非売品)をいただいた。先にご紹介した『同志会誌』Click!(1939年)ともども、なかなか手に入らないたいへん貴重な落合地域の資料だ。これは、落合地域をとらえるのに、下落合や上落合ばかりでなく西落合(葛ヶ谷)も忘れずによろしく・・・ということなのかもしれない。w...
View Articleたそがれの都会はブルーな湖。
1973年(昭和48)に万里村ゆき子が詩を書き、まるでロシアのヒクメットによる現代バレエのような『愛の伝説』Click!とタイトルされた同作には、坂田晃一が曲をつけている。『愛の伝説』を唄ったのは、いまやグループそのものが“伝説化”してしまった「まがじん」という5人組だ。...
View Article中村センセの木炭紙、貸してんか~?
少し前の9周年記念日、ちょっとオマジメでしおらしい記事を書きながら、その舌の根も乾かないうちに、こんなオバカでくだらない記事が登場するので、このサイトはまったく信用ならない。...
View Article御嶽の行者はアトリエで九字を切る。
中村彝Click!の結核を治療するため、福田久道Click!が連れてきた修験者のような男は、天狗のような下駄をはき、異様な風体でアトリエClick!を訪れた。正座をする彝の前で、曾宮一念Click!によれば「ギャアー!」とか「ギョッ!」という奇声を発して、体内の結核菌を「殺す」施術をしている。福田が紹介したこの行者が、いったいどこからやってきたのかがきょうのテーマだ。...
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